- 合鴨農法 〔あいがものうほう〕
- カモとアヒルの交雑種であるアイガモの習性を利用した、稲作の農法のひとつです。
アイガモのヒナを田植えの終わった水田に放し、出穂期ごろまで稲と共生させて育てたのち、食肉として処分します。
合鴨農法を行う効果として次のようなものが知られています。
- 水田に繁殖する雑草をアイガモが食べるため、除草剤が要らない。
- アイガモが稲の害虫を食べるため、殺虫剤が節約できる。
- アイガモが水田を巡ってくちばしや足で泥を掻き回すため、土壌の活性化が促される。
- アイガモの排泄する糞尿が肥料になる。
しかし、次のような課題もあります。- 生き物であるアイガモの飼育に、余分な労力・費用がかかる。
- 役目の終わったアイガモの出荷先を確保するのが難しい。
- 青未熟粒 〔あおみじゅくりゅう〕
- 「青米〔あおまい〕」とも呼ばれ、成熟が不十分であったために、果皮に葉緑体が残っている米粒です。稲刈りの時期が早すぎたり、出穂・開花が遅れた場合などによく見られます。
葉緑素が残っていても透明度が高くて成熟している米は、活青米(いきあおまい)と位置づけられ、整粒として取り扱われます。
活青米が多いお米は、風味が良いお米として、むしろ喜ばれる場合もあります。
- 赤米 〔あかまい・あかごめ〕
- 玄米の糠層〔ぬかそう〕部分に赤色系色素(カテコールタンニン)を含んだ米です。
近年の稲のゲノム研究により、現在の白米は赤米の変種として生まれたお米であることが分かりました。今から2500年前に日本に初めて伝わった米はこの赤米で、邪馬台国や大和朝廷への献上米も赤米が主だったとも言われています。
赤米の多くは、粳米〔うるちまい〕に比べ、でんぷんの成分であるアミロースを多く含んでいるため、炊飯すると粘りの少ない食感です。
栄養成分は白米に比べ、たんぱく質や各種ビタミン、ミネラルが多く含まれています。
代表的な品種は、「ベニロマン」「奥羽赤370号」などです。
- あきたこまち 〔あきたこまち〕
- 秋田農業試験場で開発され、1984年に品種登録された、新品種ブームの先駆けとなった品種です。コシヒカリを母とし、奥羽292号を父として交配されました。
一時期はコシヒカリに次ぐ作付け面積を誇りましたが、現在はより耐冷性のあるひとめぼれなどに置き換わられつつあります。
コシヒカリ同様に食味が良く、粘り、光沢ともに優れており、耐倒伏性(稲の倒れにくさ)、いもち病抵抗性ともに、コシヒカリに比べてやや改善されています。
- 稲刈り 〔いねかり〕
- 稲作における収穫作業を「稲刈り」と呼びます。
伝統的な農作業では鎌を使って手で刈っていましたが、1960年代から「コンバイン」が普及し始め、農家の収穫のための労働は、大幅に軽減されています。コンバインは、刈取りから脱穀までを一度に行うため、刈り取った稲を干して天日で乾燥する「はさ架け」の工程が省略され、その代わりに脱穀後に籾を乾燥機で乾燥させます。
- いもち病 〔いもちびょう〕
- 稲の生育に最も大きな被害を与える病気です。発生は稲の生育の全期にわたり、発病の部位によって、葉いもち、穂いもち、節いもちなどの呼び名があります。
「いもち病菌」は「カビ」の一種で、これが稲に寄生すると、黄色や茶色の斑点が出て、やがて枯れてしまいます。
気温が25℃で最も発症しやすいとされています。低温・多雨の日が続くと発症する危険性が高くなります。
近年、品種改良によって、いもち病に強い性質を持つ新しい品種が数多く生まれています。いもち病に強ければ、農薬散布の回数を減らすことができます。
- 粳米 〔うるちまい〕
- お米は含まれている成分の割合によって、粳米と糯〔もち〕米に分けられます。
お米の成分の約75%はでんぷんですが、でんぷんには、アミロース(かたさを決めるでんぷん)とアミロペクチン(粘りを決めるでんぷん)とがあり、この2つのでんぷんの割合によって>糯米と粳米に分かれます。粳米のでんぷんは、15~35%のアミロースと、65~85%のアミロペクチンから成り立っています。
私たちが主食として食べているご飯は、主に粳米です。
- エコファーマー 〔えこふぁーまー〕
- エコファーマーとは、平成11年7月に制定された「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律(持続農業法)」第4条に基づき、「持続性の高い農業生産方式の導入に関する計画」を都道府県知事に提出して、当該導入計画が適当である旨の認定を受けた農業者(認定農業者)の愛称名です。
エコファーマーになると、認定を受けた導入計画に基づき、農業改良資金(環境保全型農業導入資金)の特例措置が受けられます。
また、エコファーマーは導入計画に基づいて生産した農産物の包装に、「エコファーマーマーク」を添付することができます。
●農林水産省|エコファーマーの認定状況について
- 塩水選 〔えんすいせん〕
- 稲作に使用する種籾〔たねもみ〕選びに利用される技法です。
種籾には、発芽から初期生育にかけて必要な栄養源である「胚乳」が充実している籾を選ぶ必要があります。胚乳が充実している籾は比重が大きいので、塩水の比重を利用して選ぶことができます。
実際には、一定の比重の塩水に籾を入れ、浮かんできた比重の軽い籾を取り除き、沈んでいる籾を種籾とします。
一般に塩水選に使用されている塩水の比重は、1.13(もち米の場合は1.1)です。生卵を浮かべて頭がのぞく程度なので、農家ではよくこれを目安としています。
塩による殺菌効果も期待できます。
- お米マイスター 〔おこめまいすたー〕
- 日本米穀小売商業組合連合会(略称:日米連)が、お米に関する幅広い知識を持つお米の販売者を認定している資格です。
米穀小売業に5年以上従事していることなどが受験の条件になっており、対面販売で消費者にお米を販売する、いわゆる「街のお米屋さん」の信頼の指標の一つになっています。
お米マイスターの基準は、「お米に関する幅広い知識を持ち、米の特性(品種特性、精米特性、ブレンド特性、炊飯特性)を見極めることができ、その米の特長を最大限に活かした「商品づくり」を行い、その米の良さを消費者との対話を通じて伝えることができる者」とされています。
三ツ星お米マイスターと五ツ星お米マイスターがあり、三ツ星お米マイスターは、講習会と試験によって認定されますが、五ツ星お米マイスターにはさらに実技試験が課されます。
認定後は店舗での営業に知識を活かすだけでなく、地域への食育の啓蒙活動も担っています。その一環として、農林水産省の支援により、地域の小学校等にお米をテーマにした食育の出前授業を行っています。
●日本米穀小売商業組合連合会