- 中干し 〔なかぼし〕
- 水稲の栽培中に水田の水を一時的に抜いて、土を乾かす作業のことを指します。
水稲は沼地を好む植物ですが、生育期間中終始水につかっている状態では、根腐れを起こしやすいため、地表を空気にさらすことも必要です。このため、田植え1ヶ月後頃に、一時的に水田の水を抜いて乾かす中干しが古くから行われてきました。
中干しを行うと、
- 余分な分けつが抑制される。
- 土が固まって秋の収穫作業がやりやすくなる。
- 土壌中の空気を入れ替えることにより、根の発育が良くなる。
などの効果があります。
近年では中干しの前後の期間にも、さらに細かい水管理を行う「間断かん水」という、お米の品質と収量を上げるための技術が開発され、実施されています。
- 二期作 〔にきさく〕
- 同一の耕地に同じ作物を年に2回栽培し収穫すること。日本の場合、主に稲作を年2回行うことを指します。
台風の影響を避け、より多くの収穫を上げることを目的として、かつては高知県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県など年間を通じて温暖な太平洋側の地方で多く見られましたが、お米の過剰生産が問題になってきた1970年代以降、あまり行われなくなり、現在では沖縄県で、わずかに継続されています。
- 二毛作 〔にもうさく〕
- 一年間に、二種類の異なった作物を同一の耕地に栽培し収穫すること。
日本では主に、春から秋にかけてお米を作り、秋から翌年の春にかけて麦や大豆を作っていました。
1回目を表作、2回目を裏作と呼びます。
鎌倉時代には既に、東北・北海道などの寒冷地を除いて広く普及していましたが、農村の労働者不足が進んだ1970年代以降、減少してきています。
- 農業基本法 〔のうぎょうきほんほう〕
- 1961年に制定された法律です。
当時は経済の急速な発展に伴って、農業と商工業との間で所得格差が広がりつつありました。この問題を解決すべく、農家の所得と生活水準を向上させることが、この法律の最大の目的でした。
この趣旨に沿って、農業生産の選択的拡大と合理化、農業構造改善事業の着手、流通の合理化などが進められましたが、次第に若年労働者が農業から離れ、兼業化が進みました。それに加えて、食料自給率の低下という問題も起こってきました。そのため、1999年にはこれに代わる、食料・農業・農村基本法が制定されました。